2022年4月から二重国籍ハーフの国籍選択年齢が20歳に変更

重国籍者の国籍選択リミット年齢が、2022年4月から、20歳までの誕生日までに変更
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こんにちは!フランス在住のKokoです。

国際結婚などでお子さんが生まれつき重国籍をお持ちの場合、お子さんがまだ小さな頃はあまり気にされていなくても、なんとなくでも、お子さんがある年齢に達するまでに国籍選択をしなければならない、ということはご存じだと思います。

大坂なおみ選手も、国籍選択期限の直前、22歳の誕生日を迎える直前に日本国籍を選択されましたよね。

さて、この国籍選択期限ですが、2022年3月31日までは、出生による重国籍者は22歳の誕生日までに国籍を選択しなければならないと法律で定められていました。

それが、2022年4月1日以降、日本の成人年齢が20歳→18歳に引き下げられたことにより、国籍選択期限も2年早まり、20歳の誕生日までに国籍を選択しなければならなくなりました。

この記事で分かること

  • 日本での成人年齢引き下げにともない、国籍選択期限が、いつから、どのように変わったのか?
  • 新たな国籍法の施行時に国籍選択期限が近い人には、なにか特別な移行措置があるのか?
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日本の成人年齢はいつ引き下げられた?

日本の成人年齢は、2022年4月1日から、それまでの20歳から18歳に引き下げられました。

日本の成人年齢引き下げによる海外在住者への影響は?

海外では、成人年齢は18歳のところが多いですね(国・州によっては19歳のところもありますが)。

海外では現地の法律に従って生活しているので、日常生活において日本の成人年齢を意識することはほとんどありません。

海外在住日本人にとって大きく変わったのは次の2点です。

①18歳から10年パスポートを申請できるようになった

日本のパスポートには、10年パスポートと5年パスポートがあります。

未成年は5年パスポートしか作れません。また、未成年がパスポートを申請するには親権者の同意が必要です。

2022年3月までは、20歳からしか10年パスポートを申請することができませんでしたが、2022年4月1日以降、18歳から10年パスポートを申請することができるようになっています(18歳から親権者の同意が不要になります)。

②国籍選択期限の年齢が2年早くなった

生まれつき重国籍の場合、2022年3月までの国籍選択の期限は22歳の誕生日まででしたが、2022年4月1日以降、国籍選択の期限が20歳の誕生日までに変更になりました。

余談: 日本の選挙権年齢はすでに引き下げられている

海外からも、在外選挙人証があれば、日本の国政選挙(衆議院選挙、参議院選挙)に投票できます。

成人年齢引き下げにともない「選挙権年齢も変わるの?」と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、日本の選挙権年齢についてはすでに(2016年6月以降)20歳→18歳に引き下げられています。

それでは、②の国籍選択期限の年齢について、国籍法はどのように変わったのか、移行措置はあるのか、みてみましょう。

国籍選択期限の年齢が変更になったことがわかる法律は?

国籍の選択について定められているのは国籍法第14条第1項ですが、以下の通り変更になっています(ただ単に、年齢の部分が変更になっただけです)。

2022年3月31日まで

(国籍の選択)

第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。

2022年4月1日以降

(国籍の選択)

第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が十八歳に達する以前であるときは二十歳に達するまでに、その時が十八歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。

つまり、2022年4月1日以降

  1. 18歳に達する以前に重国籍となった場合は、20歳の誕生日までに国籍選択
  2. 18歳に達した後に重国籍となった場合は、重国籍となった時から2年以内に国籍選択

しなければならないとされています。

突然国籍選択期限が近くなってしまった (過ぎてしまった) 人には移行措置あり

国籍選択期限が突然前倒しになり、国籍選択期限が近くなってしまった人はとまどわれたかもしれません。

国籍法の施行時に国籍選択期限が近い人(国籍選択期限を過ぎてしまった人)については、次のような移行措置が設けられています。

ただし、令和4(2022)年4月1日時点で20歳以上の重国籍者については、22歳に達するまでに(20歳に達した後に重国籍になった場合は、重国籍になった時から2年以内に)どちらかの国籍を選択すれば足り、令和4(2022)年4月1日時点で18歳以上20歳未満の重国籍者については、同日から2年以内にどちらかの国籍を選択すれば足ります。

引用:法務省「国籍の選択について – 国籍の選択をすべき期限

つまり、生まれつき重国籍の人の場合、

  • 2022年4月1日時点で20歳以上・・・22歳の誕生日までに国籍選択(これまでと同じ)
  • 2022年4月1日時点で18歳以上20歳未満・・・2024年3月31日までに国籍選択(新たな国籍法の施行日から一律2年間の猶予期間が与えられる)
  • 2022年4月1日時点で18歳未満・・・20歳の誕生日までに国籍選択(新たな国籍法の適用対象)

ということですね。

最後に。二重国籍ハーフの国籍選択 (の実情) についてもっと知りたい方へ

というわけで、2022年4月1日以降日本での成人年齢が20歳→18歳に引き下げられたことにともない、国籍法も改定されました。

2022年4月1日時点で20歳以上の重国籍者(生まれつきの重国籍者)についてはこれまでと何も変わりませんが、2022年4月1日時点で20歳未満の重国籍者(生まれつきの重国籍者)については新たな国籍法の適用対象となっていますのでご注意ください。(ただし、2022年4月1日時点で18歳以上20歳未満の重国籍者については移行措置あり。)

我が家の子供たちも生まれつきの重国籍ですが、子供たちが生まれた時は、「国籍選択なんてまだまだ先のこと。」「子供たちが国籍選択期限に達するまでに法律が変わるかもしれないし...」などとぼんやりと考えていました。ですが、日本での重国籍に関する議論もあまり進んでないようですし、そろそろ国籍選択についてきちんと知識を整理し、考えてみようと思いました(ちなみに、私は以前、国籍・戸籍にかかわる仕事をしていたことがあります)。

というわけで、同じように重国籍をもつお子さんがいらっしゃる方、または、ご自身が重国籍という方に、国籍について考えるきっかけ、材料としていただくために、二重国籍者の国籍選択についていくつか記事を書きましたので、よろしければ読んでみてくださいね。

重国籍者の国籍選択についてもっと知りたい方はこちら

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