こんにちは!ドイツ在住のKokoです。
私は以前、戸籍・国籍関連の仕事をしていたことがあります。
国際結婚家庭のお子さんの出生届に、お子さんの氏名をどのように書いたらよいのか(日本の戸籍での氏名表記はどのようになるのか)、特に苗字やミドルネームについて何をどのように記載したらよいのか、悩む人が多いようです。

私は婚姻後日本では苗字を変更していません(日本には「氏の変更届」を出していません )。出生届(戸籍)の子供の苗字は、夫の苗字と私の苗字どちらを書くべきですか?



今住んでいる国では、子供の名前はファーストネームだけでなくミドルネームも登録しています。
この場合、日本にもミドルネームを届けないといけませんか?届けなくてもいいですか?
もしミドルネームも届ける場合、出生届(戸籍)ではどのように書きますか?



私は婚姻時に「氏の変更届」を出して、日本でも夫の苗字で登録されています。
私の旧姓を子供のファーストネームの後ろにくっつけて届けたいんですが可能ですか?



ミドルネームを日本に届けていなくても、日本のパスポートには括弧書きで記載することができるって本当ですか?
本記事では、こういった疑問にお答えします。



私自身、ハーフの子供が2人いますが、子供たちの名前を日本に届けてから10年以上経った今の私が、日本へ届けた名前について思うことについてもお話ししますね。
国際結婚家庭の子供の苗字は出生届(戸籍)ではどうなる?


子供の苗字は、自動的に日本国籍をもつ父/母の戸籍上の苗字になる
出生したお子さんの父母(一方が外国人)が結婚している場合、出生届に書く(戸籍に記載される)お子さんの苗字は、自動的に日本国籍をもつ父親または母親の戸籍上の苗字と同じになります。
実際に次の例を見ていただくとわかりやすいと思います。
【例】日本人の山田花子さんが、外国人のスミスジョンさんと結婚している場合
- 日本への婚姻届提出時に花子さんの苗字を変更しておらず(「外国人との婚姻による氏の変更届」を提出しておらず)、花子さんの戸籍上の苗字が「山田」になっている場合
- 出生届に書くお子さんの苗字 →「山田」
- 日本への婚姻届提出時に「外国人との婚姻による氏の変更届」(婚姻から6ヶ月以内)を提出し、花子さんの戸籍上の苗字が「スミス」になっている場合
- 出生届に書くお子さんの苗字 →「スミス」
- 日本の家庭裁判所で許可を得て、花子さんの戸籍上の苗字が(夫の苗字と妻の苗字をくっつけた)複合姓「山田スミス」になっている場合
- 出生届に書くお子さんの苗字 →「山田スミス」



日本の戸籍上の苗字は「山田」のままなんですが、今住んでいる国では「スミス」姓で生活しているんです...というような事情は一切関係なく、あくまで日本の戸籍上で日本人父/母の苗字がどうなっているかで日本に届けるお子さんの苗字が決まります。
(そして、戸籍上の苗字でお子さんの日本パスポートが作られます。)
子供の苗字を戸籍上の苗字ではない苗字(外国人親の苗字)にしたい場合
例えば、上の例で言うと、



私自身の苗字は日本では山田のままでいいんですが、夫が「子供の苗字は外国でも日本でも「スミス」にしたい」と言っているんです。
または、



婚姻届を出す時はあまり深く考えずに、私の日本での苗字はそのままでいいかと思って「氏の変更届」は出さなかったんですが...
出産を機に私の苗字も「スミス」に変更して、日本でも母子そろってスミス姓を名乗りたいと思っているんです。
というような場合。
どちらの場合も、日本の家庭裁判所での許可を得た上で日本の役場に届け出る必要があります。
海外在住の皆さんにとっては残念なことに、海外の大使館や総領事館では手続きできません。
ですので、今海外で出産を控えておられるようでしたら、まずは海外でお子さんの出生から3ヶ月以内に出生届を出し(上の例で言えば、とりあえず「山田」姓で出生届を出し)、いつか日本に一時帰国する際に日本の家庭裁判所で手続きを行う、という流れになります。
まだ婚姻後6ヶ月経過していない場合に限り、婚姻が記載された戸籍謄本を添えて、管轄の大使館・総領事館に「外国人との婚姻による氏の変更届」を提出できます。
( 「氏の変更届」が出せるのは、「管轄の大使館・総領事館に婚姻届を出してから6ヶ月以内」ではなく「外国での婚姻成立日から6ヶ月以内」なのでご注意くださいね。)
日本の家庭裁判所での氏の変更許可手続きについては裁判所の公式サイトをご覧ください。
氏の変更は、やむを得ない場合(氏の変更をしないとその人の社会生活において著しい支障をきたす場合)のみ許可されるとされていますが、私が知っている限りでは、上の2つのケースで申立が認められなかったという人の話は聞いたことがありません。書類を準備する手間はかかりますが、そこまで難易度は高くないのかなと思います。
日本に住民登録がない海外在住者が日本の家庭裁判所で氏変更の申立をする場合は、日本における最後の住所地の家庭裁判所にて行うとされています。
日本での最終住所地がよくわからないという人は、本籍地役場で「戸籍の附票(ふひょう)」の写しを請求することで確認できます。「戸籍の附票」には、国内の最終住所地と転出日が記載されています。
もし家庭裁判所での氏の変更申立をお考えでしたら、まずは一度、ご自身の管轄裁判所に電話して事情を説明し、手続きの詳細や所要日数(海外在住の場合、日本への一時帰国中にできそうかどうか)など問い合わせてみられることをおすすめします。
戸籍には苗字が違う者がいっしょに入ることはできません。
ですので、もし日本人母(戸籍筆頭者)の苗字が山田のままで、お子さんだけがスミス姓になる場合は、お母さんとお子さん(赤ちゃんであっても)は別々の戸籍に入ることになります。
また、その後、兄弟が生まれた場合、お子さん同士も別々の戸籍に入ることになります。
(その場合、将来戸籍謄本を取得する時に、取得料金が別々にかかります。)



う~ん。子供と戸籍が別々っていうのはなんか寂しいな...
結婚していない父母から生まれた子供の苗字は出生届(戸籍)ではどうなる?
結婚していない父母から生まれた子を「嫡出(ちゃくしゅつ)でない子(=非嫡出子)」といいます。
外国人父と日本人母の間に生まれた非嫡出子の苗字は日本人母の戸籍上の苗字になります。
日本人父と外国人母の間に生まれた非嫡出子は、日本人父から胎児認知がなされている場合に限り、子は日本人父の苗字を称することができます。(日本人父から胎児認知がされていない子は出生によって日本国籍を取得せず、海外では出生届を出すことはできません。)
出生届でのミドルネームの書き方は? ミドルネームの届出は必須?


日本の戸籍には、ファーストネームやミドルネームなどという区別はありません。



日本の戸籍にはミドルネームがないと言われたから、ミドルネームは届けなかった。
と言っている人がいますが、確かに出生届にはミドルネーム記載欄はないのですが「名」の欄にミドルネームを含めて届けることが可能です。例えば、外国でのファーストネームが「Gabriel」、ミドルネームが「Taro」だとすると、出生届の 「名」の欄に「ガブリエル太郎」と書いて届けることが可能です。
ちなみに、いくらあなたが出生届上で「ガブリエル 太郎」のようにファーストネームとミドルネームの間にスペースを入れて書こうとも、戸籍ではファーストネームとミドルネームの間にはスペースは入りません。また、「ガブリエル・太郎」「ガブリエル,太郎 」のようにファーストネームとミドルネームの間に「・」「,」などの記号を入れることもできません。あくまで戸籍ではひとつの名前としての扱いになります。
日本へのミドルネームの届出は必須ではなく、外国ではミドルネームを登録しているけれど、日本へはミドルネームを届けずファーストネームだけを届けるということも可能です。外国人としての氏名と日本人としての氏名は、必ずしも一致する必要はありません。
【例】外国での登録氏名(外国の出生証明書に記載されている氏名)が「姓: Smith、名: Kai David」(ファーストネームがKai、ミドルネームがDavid)の場合
外国の名前と日本の名前をある程度一致させようと思えば、出生届の「名」の欄には以下のように記載できます(あくまで一例)。
- 海デイヴィッド
- 海
- デイヴィッド海
- デイヴィッド
アルファベットの名前を出生届(戸籍)でどのように記載するかは届出人に任されています。例えば「デイヴィッド」は「デーヴィッド」「デービッド」「デイヴィッド」「デイビッド」などでもいいですし、漢字(戸籍に使える漢字)でもひらがなでもOKです。



上の4パターンの中では、①②が多い印象です。
①→外国で届けたファーストネームとミドルネームをそのまま届ける(我が家はこれ)
②→外国で届けたファーストネームだけを届ける(ミドルネームは届けない)
ただ、日本側の届出においてはこのような届け方が認められているというだけであって、外国と日本の両方に同じファーストネームを届けなければいけないというようなルールの国もあるようですのでご注意くださいね。
繰り返しますが、外国人としての氏名と日本人の氏名は、必ずしも一致する必要はありません。
ですが、外国人としての氏名と日本人としての氏名が一致しないことによる不都合が起こりうる可能性についてよく考えた上で日本側に届ける必要があります。
例えば、重国籍の場合、外国・日本間往復時には外国のパスポートと日本のパスポートの両方を持って旅行しますが、2つのパスポートでの氏名があまりに違うと、同一人物のパスポートと見なされない可能性も出てきます。



実際、2つのパスポートの記載氏名があまりに違い過ぎて飛行機に乗せてもらえなかったという人の話を聞いたことがあります(航空会社職員が渡航先での入国・滞在資格があるかどうかわからないと判断したため)。
二重国籍者の2つのパスポートの使い分けについては別記事にまとめています。
また、2つの国での登録氏名が違うと、一方の国で取得した大学卒業資格や免許が、もう一方の国で同一人物のものと認めてもらえない(あるいは、認めてもらうための努力をしないといけない)ということもあり得ます。



次章以降、ちょっと特殊な(括弧書きで苗字やミドルネームを併記できる)日本のパスポートでの氏名記載の仕組みについてもご説明しますね。
子供の名前に父または母の苗字(戸籍上の苗字ではない方)を入れたい場合
日本に届ける子供の名前に、父または母の苗字(戸籍上の苗字ではない方)を入れるとは?
たまに、次のような希望をお持ちの方がいます。(海外在住の友人にこのパターンで届けた人がいますが、日本在住の国際結婚家庭でこのパターンの届出をしている人に出会ったことがありません。海外在住者特有なのでしょうか?!)



子供の日本の苗字は私(日本人母)の苗字になるから、子供の名前に(ファーストネームの後に続ける形で)夫の苗字を入れたい。



子供の日本の苗字は外国人夫の苗字になるから、子供の名前に(ファーストネームの後に続ける形で)私の旧姓を入れたい。
先ほどの例で言えば、お子さんの名前を
- 姓:山田 名:海スミス
- 姓:スミス 名:海山田
などのように届けたいということです。もちろん、これは届出上問題ありません。
複合姓(例:山田スミス)にするには日本の家庭裁判所の許可が必要なので、特に海外在住者にとっては手続きが面倒です。なので、ファーストネームに続く形でもうひとつの苗字を入れれば日本の戸籍氏名に父母両方の苗字を入れられると考えられてのことだと思います。
ただ、このように届けた場合、お子さんの日本のパスポートの氏名表記は次のようになります。
- 姓:YAMADA 名:KAI SMITH
- 姓:SMITH 名:KAI YAMADA
日本では、戸籍氏名そのままでパスポートを作成するルールになっています。



海外在住ならパスポートだけですが、いつか日本に住むことになった場合に、日本の学校での名前、マイナンバーカード、運転免許証、銀行口座の名義などもすべて、名前の部分に苗字が入った形になります。
まわりの人も含めて、やっぱり少し違和感を感じられる方もおられるのではないでしょうか。
(あくまで私の個人的意見ですが)
パスポートで苗字を併記できる可能性も検討してみよう
「名前の中に苗字を含めようかな」と考えておられる人も含め、日本にお子さんの名前を届ける際に皆さんが知っておかれるとよいと思うのが、
日本のパスポートは、世界的にもめずらしい「別名併記制度」というシステムを採用していて、戸籍に記載されていない苗字やミドルネームであっても、必要性があると認められれば括弧内に記載できる
ということです。
例えば、戸籍には「山田 海」または「スミス 海 」で記載されているけれど、戸籍に記載されていない父または母の苗字もパスポートに記載したい場合、必要性が認められ、かつ、公的な書類で綴りが確認できる場合に限り、
- 姓:YAMADA(SMITH) 名:KAI
- 姓:SMITH(YAMADA) 名:KAI
のように氏名を表記できます。
在住国ではSMITH姓を使用しているから、在住国ではSMITH-YAMADA姓(複合姓)を使用しているから、という理由であれば必要性が認められます。(もちろん、在住国のパスポートなどの公的書類でSMITH姓やSMITH-YAMADA姓が記載されていることを示す必要があります。)
日本のパスポートではこのような併記の可能性があることも考慮された上で、出生届の名前を検討してみてください。
戸籍にミドルネームの記載がなくても日本のパスポートでは括弧内に入れられる


前章で、戸籍上の苗字ではない方の父母の苗字も、必要性が認められた場合に限り、日本のパスポートでは括弧内に入れて併記ができることをご紹介しました。
今度は、名前の方を見てみましょう。
例えば、下の例のように、出生届でミドルネームを届けていなかった場合でも(戸籍にミドルネームが記載されていなくても)、パスポートでは括弧内にミドルネームを入れることができます。
(ミドルネームの場合も、苗字の場合と同じように、在住国のパスポートや在住国発行の出生証明書を提示することで併記の必要性が認められ、日本のパスポート上に記載できます。)
日本のパスポートでは以下の①~④のような4種類の氏名表記パターンが可能になります。
【在住国の登録氏名】
姓:Smith 名:Kai David John
【日本の戸籍上の氏名】
姓:山田 名:海
【日本のパスポートでの氏名表記パターン】
- 姓:YAMADA 名:KAI ※併記なし
- 姓:YAMADA(SMITH) 名:KAI ※姓だけ併記
- 姓:YAMADA 名:KAI(DAVID JOHN) ※名前だけ併記
- 姓:YAMADA(SMITH) 名:KAI(DAVID JOHN) ※姓も名前も併記
戸籍上は「名」はひとつなのでファーストネームとミドルネームの間にスペースを入れられないと言いましたが、パスポートに記載する時は名前と名前の間にスペースを入れられます。
パスポートにミドルネームなどの併記がある場合の航空券予約、注意すべき点などについては別記事にまとめています。
在住国での出生登録前に、名前に使える漢字かどうか確認しよう
日本に届けるお子さんの名前に漢字を使う場合ですが、存在する漢字ならどの漢字を使ってもよいというわけではありません。
常用漢字と人名用漢字を使用できます。「子の名として使える漢字」というのが法律で定められています。
一生懸命名前を考え日本に届ける漢字も決めていたのに、実際大使館・総領事館へ出生届を出してみたら、届けようと思っていた漢字が名前として使用が認められていない漢字だった...という場合があります。
日本で出産し出生届を出すなら、お子さんの名前はまだどこにも登録されていないので、万が一漢字が使用できないものだったら名前を考え直すということもできます。
ですが、海外で出生届を出す場合、まず在住国で出生登録し、在住国の官公署で発行された出生証明書を添付して日本側へ出生届を出すという流れになっています。
普通、在住国で出生登録する時点で、日本にはこの名前をこの漢字で届けようって決められていると思います。
それが、大使館・総領事館での届出時に「その漢字は使えません」と言われ、同じ読みの別の漢字を見つけなくてはならなくなり...残念な思いをされることになるかもしれません。



同じ読みの別の漢字で気に入ったものが見つけられず、結局ひらがなで届けた人も知っています。
法務省のこちらのページで「子の名として使える漢字」を検索できます。お子さんの名前の漢字を考えられる際に、念のため確認してみてください。
【余談】日本に届ける名前はひとつでよかったと思う我が家の話


最後に、うちの子たち(生まれてからずっと海外。長男中学生、次男小学生。重国籍)の日本に届けた名前について、届出から10年以上経った今の私が思うことについてお話しします。
日本への名前の届出をどうしようかと結構悩んだのですが、結局うちの子たちは2人とも、私たち夫婦が付けたフランスの名前と、日本の私の両親に付けてもらった日本の名前をくっつけた形で届け出ました。日本のおじいちゃん、おばあちゃんに名前を付けてもらうっていうのもいいな、日本で体験入学したり、将来日本で生活する時にも日本名があった方が便利かな、と思ったからです。
「ガブリエル太郎」みたいな感じです(ちなみに「ガブリエル」は2021年フランスの男の子の名前で人気ナンバー1)。
フランスと日本に届ける名前はまったく同じにした方が両国のパスポートはじめすべての公的書類で表記が統一され、今後どこの国で生きて行くことになっても書類手続きが楽かなと思い、両国同じ名前で届けました。
ただ、それから10年以上経って思うのが「日本へ届ける名前はひとつにしておけばよかった」ということです。



「ガブリエル」だけにすればよかった。



または、フランスと日本のどちらの国でも通用する(どちらの国でも違和感のない)名前にして、その名前に漢字を当てて、ひとつの名前を届ければよかったかな。
とも思っています。
「どちらの国でも通用する名前」とは、例えば、フランスでは、男の子だったら、Leo、Hugo、Lucas、Louis、Enzoなどで、女の子だったら、Anna、Lea、Mia、Mila、Lina、Emma、Aliceなどの名前です。



最近の国際結婚家庭(海外在住)では、こういった名前を漢字表記にして、ひとつの名前を日本に届けている人が多い印象です。
ネット上で、在住国の名前とは別に日本名があった方が日本に本格的に住むことになった時に生活がしやすいのではないか、子供だったらいじめられにくいんじゃないかという意見を目にしたことがあります。
ですが、実際我が子もそうですが、外見が見るからにハーフの場合、日本で日本の名前を使ったからといってまわりが日本人として見てくれるわけではありません。
これまで海外の日本人コミュニティや日本語補習校で国際結婚家庭のお子さんをたくさん見てきましたが、名前がいくつあっても(在住国の名前と日本の名前、2つの名前を持っていても)、我が家もそうですが、結局はひとつの名前でどこでも通すというお子さんがほとんどです。
在住国では在住国の名前、日本への一時帰国時や在住国で日本語補習校に通う時は日本の名前、というように2つの名前を使い分けているというお子さんは、私のまわりではごく稀です。
「名前」ってその人が持つ「イメージ」と結びついているものだと思います。
例えば日本語補習校に「ケン」くんで通っているお子さんのことを、補習校に迎えに来た外国人のお父さんが「ベンジャミン」と呼んでいるのにはまわりも少し違和感がありました。(もちろんそれがいけないと言っているわけではありません。)
我が家ではそういった使い分けができなかった(名付けた私の両親でさえ、生後間もなくは使っていましたが今は使っていません)ので、子供たち自身も日本の名前に愛着や思い入れを持っていません。(後ろから日本名で呼ばれても自分のことだと思わず振り返らないかも...)
ちなみに、我が家の場合、日本に一時帰国したり、一時帰国時に毎年日本の小学校に体験入学したりした時に、「日本の名前があってよかったな。」「日本の名前を使った方が便利だな。」と感じた場面はこれまで一度もありません。
(体験入学の際は、子供たちとも話し合った結果、日本名があるのに日本名を一切使いませんでした。)
日本に届ける名前にミドルネームを含めること、在住国の名前とは別に日本の名前を付けることに思い入れがあるというのでない限り、長い名前は何かと面倒だし(総領事館に出す在留届や教科書申込書には戸籍名を書かないといけないのにフランスの名前だけ書いてしまって総領事館から電話がかかってきたことがあります...)、2つの名前をくっつける形ではなくひとつの名前だけを届けておけばよかった、というのが今の私が思うことです。
あくまでこれはずっと海外(フランス、カナダ)に住んでいる我が家の場合の話であり(日本在住の国際結婚家庭のお子さんはまた事情が違うと思いますし、同じ海外でも国によると思います)、今の私が思うことですが、こんなふうに思っている人もいるよ、ということでご参考まで。
【まとめ】ハーフの子供の名前(苗字やミドルネーム)の、出生届での書き方、戸籍・パスポートでの表記
最後にこの記事の内容を簡単にまとめておきます。
- 出生子の父母が国際結婚している場合、出生届(戸籍)の子供の苗字は、自動的に日本国籍をもつ父または母の戸籍上の苗字になる。
- 出生子の父母(外国人父、日本人母)が結婚していない場合、出生届(戸籍)の子供の苗字は日本人母の苗字になる。
- 子供の苗字を戸籍上の苗字と違う苗字にしたい場合、日本の家庭裁判所で氏の変更の申立をし許可を得る必要がある(海外の大使館・総領事館では手続きできない)。
- 日本の出生届(戸籍)では名前はひとつ。
- ミドルネームを戸籍に記載したい場合は、ファーストネームとミドルネームをくっつけた形でひとつの名前として届けることが可能(ただし、ファーストネームとミドルネームの間にスペースや記号は入らない)。
- 外国人としての氏名と日本人の氏名は必ずしも一致する必要はない。ただし、外国人としての氏名と日本人の氏名が一致しないことによる不都合が起こりうる可能性についても考えた上で日本側に届ける必要がある。
- 法律で「子の名として使える漢字」が定められている。すべての漢字が子の名前として使えるわけではないので、念のため確認すべき。
国際結婚家庭のお子さんの名付けについては色々悩みますよね...
どうぞ素敵な名前を見つけられますように!