こんにちは!フランス在住のKokoです。
一時帰国時に日本国内をあちこち旅行するなら、JRパス(ジャパン・レール・パス)がお得で便利ですよね。

コロナ前(2019年夏。JRパス値上がり前)に家族4人で里帰りした際、家族が7日間有効のJRパスを購入し日本国内(東京~広島間)をあちこち旅行しましたが、4万円ぐらいお得に旅行できました!
JRパスは、外国人だけでなく、2025年12月31日まで(引換証発行日基準)は、利用資格を満たした海外在住日本人も利用できます。
JRパス料金は、JAPAN RAIL PASS公式HPの「種類と価格 – JAPAN RAIL PASSの価格」で確認できます。
【New】2023年10月1日購入分からJRパスの料金が値上がりしました。例えば、普通車・7日間用のJRパス料金が、大人用が 値上がり前 ¥29,650→現状 ¥50,000、こども用が 値上がり前 ¥14,820→現状 ¥25,000 になり、かなり値上がりしました。
「【ジャパン・レール・パス専用】のぞみ・みずほ利用券」を追加で購入すれば、これまで利用できなかったのぞみやみずほに乗車できるようになったり、日本国内の観光施設等利用時に割引が受けられるようになったりするというメリットもあるんですが。



値上がり後は、日本国内をよっぽどあちこちしないと元が取れなくなってしまいました。
ちなみに、JRパスの購入方法は「Webで購入」「海外で購入」の2通り。外国人はWebでも海外の代理店でも購入できるのですが、海外在住日本人についてはWeb購入が認められておらず、必ず「海外の代理店で購入」しなければならないルールになっていますのでご注意ください。
ところで...私自身は20年以上も海外に住んでいるのに、JRパスを購入できません。
なぜなら、海外在住日本人のJRパス利用資格が「今住んでいる国に連続して10年以上住んでいる」ことだからです。
現状では、私のように国をまたいで何度か引っ越しした海外在住日本人の各国在住期間を合算して10年以上であることを証明できる公的書類がないため、利用資格がそのようになっているのだと思いますが...



行く先々の国できちんと在留届を出しているのに...
悔しいですが、今のところそのようなルールになっているので仕方ありません。
さて、皆さんは、10年の在留期間をうまく証明できるでしょうか?
本記事では、海外在住日本人がJRパス利用資格を満たしていることを証明する3つの方法
- 永住者カード
- 在留届の写し
- 在留証明
についてわかりやすく解説します。
この記事を読めば、
- 自分はそもそも利用資格を満たしているのか?
- 利用資格を満たしているなら、自分は上の ①②③ のうちどの方法で利用資格を証明すればよいのか?
- どのように証明すればよいのか?
がわかります。
また、次のような疑問にもお答えします。



海外に来て10年以上。でも、いつ在留届を出したか覚えていません。
いつ出したか、どうやったら調べられますか?



ドイツに来て10年以上。国内で引っ越しし、管轄の総領事館も変わりました。
在留届を出した総領事館からそれぞれ「在留届の写し」を出してもらえばよいのでしょうか。
それとも、ドイツ国内だったら、管轄の総領事館が違っても、一通にまとめて「在留証明」を出してもらえるのでしょうか。



カナダに来て10年以上。カナダに来た当初は在留届を出さなくてはいけないことを知らなくて、在留届を出してからまだ10年経っていません。
なので「在留届の写し」は発行してもらえませんよね。
代わりに「在留証明」を申請したいのですが、住所を証明する書類がどうしても見つけられない空白期間があります。
在留証明を発行してもらうのは無理でしょうか?
海外在住日本人はいつまでJRパスを利用できる? 利用資格は?
海外在住日本人はいつまで利用できる?
現在のところ、2025年12月31日まで(引換証発行日基準)、利用資格を満たした海外在住日本人も利用できます。



これまでは2023年12月31日まで利用できるとされていましたが、次の通り、2年延長するとの発表がありました(2023年7月26日発表)。
海外在住で日本国籍を有し、利用資格の条件を満たす方は、これまでと同様日本へ出発前に、JR指定販売店もしくは代理店で引換証をご購入ください。なお、2023年12月31日までと案内しておりました引換証の発売期間につきましては、2025年12月31日まで延長します。
引用:「ジャパン・レール・パス」の価格改定日および商品内容の拡充について(JRグループ、2023年7月26日)
海外在住日本人のJRパス利用資格は?
2017年6月1日~2025年12月31日(引換証発行日基準)における海外在住日本人のJRパス利用資格は次の通り。
日本国の旅券及び「在留期間が連続して10年以上であることを確認できる書類で、在外公館で取得したもの等」を有する方
※ 日本国外での引換証のお買い求め及び日本国内でのパスへの引換の際に、旅券及び確認書類の提示が必要です。
引用:JAPAN RAIL PASS「2017年6月1日からのご利用資格(日本語)」
というわけで、そもそも海外在住期間が10年に満たない日本人はJRパスを利用できません。
12歳未満の海外在住日本人については、在住期間が10年に満たない場合でも例外があります。
「在留期間が連続して10年以上であることを確認できる書類で、在外公館で取得したもの等」とは?
「在留期間が連続して10年以上であることを確認できる書類で、在外公館で取得したもの等」とは、次の①~③のどれかひとつです。
- <アメリカ、カナダ、ブラジルの永住カード保持者のみ>
在留開始日が10年以上前であることが確認できる永住者カード - 管轄の大使館・総領事館で取得した「在留届の写し」(在留届の受付日が10年以上前になっているもの)
- 管轄の大使館・総領事館で取得した「在留証明」(「現住所に住所(または居所)を定めた年月日」として、10年以上前の年月が記載されているもの)
海外在住10年以上でもJRパスが利用できない日本人とは?
現在のJRパス利用規定では、海外在住日本人の場合、アメリカ・カナダ・ブラジルの永住カードで10年の在留期間を証明できない人については、大使館・総領事館が発行する証明書(「在留届の写し」または「在留証明書」)で10年の在留期間を証明しなければいけないことになっています。
注意しないといけないのが、大使館・総領事館で在留期間が10年以上あることの証明書を発行できるのは、
- 現在住んでいる国に
- 連続して
- 10年以上住んでいる
場合だけという点です。
残念ながら、次のような場合は大使館・総領事館で「在留届の写し」「在留証明書」のどちらも発行してもらえないので、JRパスを利用できません。
- (現在住んでいる国を含めて)2つ以上の国での在住期間を足すことにより海外在住期間が10年以上になる場合
- 在住期間の10年が連続していない場合
(例)現在住んでいる国に住み始めて15年になるが、途中事情があり1年だけ日本に住んだ。その時管轄の大使館に「帰国届」を出した。1年後また戻って来て同じ大使館に「在留届」を出した。2度目の在留届の受付年月日からはまだ10年経っていない。
SNSを検索すると、こんな声がありました。
フランスに1991年に来てもう27年目になります。が、ジャパンレールパスが使えないようなのです!
というのも、主人の仕事でヨーロッパ内で引っ越しをしているからなのです。
ただ、私は仕事がフランスですし、家もあるので、ずっとフランスに在留してもいるのです。
ですが、主人の引っ越しのたびに一応その国にある日本大使館に行き、正直に在留届を出していたものですから、スペイン3年、ドイツ3年となってしまい、しかもその前にいたフランスに20年が証明できない、と在仏日本大使館の係りの方に言われてしまいました。。。。。。
なんということでしょう…27年ですよ!
今も電話で色々聞いてみているのですが。。。JRに何か聞いても何も答えてもらえそうにないし。
何か知恵はありませんか?本当にまいりました。
引用:ジャパン・レール・パスを考える在外邦人の会、2017年7月5日の投稿



私も同じ状況なので、お気持ちはとてもよくわかります!
悔しいですが、JRの規定(大使館・総領事館での在留期間証明方法)が変わらない限り、諦めるしかありません。
この方のようなケースでは、今後は正直に在留届を出さずに、JRパス利用のために在留届を置いたままにしておこう、という方が出てくるかもしれません...(そうすると、在留届の本来の目的「事件や事故、災害発生時の安否の確認、緊急連絡、救援活動」などに支障をきたしてしまうので困りますが...)
JRが言う「10年以上」は厳密にはきっちり10年は必要ない
在留期間10年以上を証明する方法の説明に入る前に、まず、JRによる「10年以上」のカウントの仕方を確認しておきましょう。
「10年以上」については、引換証のお買い求め時点で「10年前の同じ月」以前のものが有効です。
(例)2017年6月1日に引換証購入の場合、「2007年6月」以前のものが有効(2007年6月1日~6月30日は「2007年6月」と見なし有効)
引用: JAPAN RAIL PASS「2017年6月1日からのご利用資格(日本語)」
つまり、10年前の同月のものであればよい(厳密に言うときっちり10年は必要ない)ということです。
具体的に言うと、海外のJR指定販売店・代理店でのJRパス引換証の発行日が2022年12月1日の場合、
- 永住者カード記載の在留開始日
- 「在留届の写し」記載の在留届受付日
- 「在留証明」記載の「住所を定めた年月日」※
が2012年12月1日(きっちり10年前)より前の日付になっているものはもちろんOK。それに加え、10年にはほんの少し足りないけれど2012年12月31日までの日付になっているものもOK、ということです。
(※「在留証明」の形式2(過去住所も含めた証明)の場合、一番昔の住所に住み始めた年月が2012年12月以前になっていればよいということです。 )
それでは、次章から、「現在住んでいる国に連続して10年以上住んでいる」というラッキーな人たちを対象に、在留期間が連続して10年以上あることを証明する3つの方法について、順番に説明していきますね。
【証明方法その1】アメリカ/カナダ/ブラジルの永住者カードで証明
アメリカ、カナダ、ブラジルの永住権取得後10年経っている皆さんはラッキーです!
なぜなら、この3つの国だけ、特例で永住者カード提示による在留期間10年の証明が認められていて、大使館・総領事館で「在留届の写し」や「在留証明」を申請・取得する必要がないからです。



ただ、「なぜこの3ヶ国だけなの?」って思いませんか?
調べてみたら、この3ヶ国は永住者数が多く、しかも、顔写真付きの永住者カードで在留期間が明確に確認できるから、という理由らしいです。



でも、私のようなカナダの永住者カード保持者は、5年間のうち少なくとも2年カナダに住んでいれば永住者カードを更新できるんです。
なので、実際には「カナダでの在留期間が連続して10年以上」であることの証明にはならないんですよね。
利用資格証明として永住者カードが認められる国とそうでない国では不公平感があると思います。
永住者カードのどこを見る? カナダの永住者カードの例
海外のJRパス指定販売店・代理店でJRパスの引換証を購入する時、また、日本国内でJRパスに引き換える時、永住者カードのどの部分をチェックされるのでしょうか?
私が持っているカナダの永住者カード(PRカード)で見てみましょう。


PRカード裏面の「PR Since / PR depuis」(~以降永住)というところに、永住者になった日付(年月日)が記載されています(例:20 OCT/OCT 11(2011年10月20日))。
海外のJR指定販売店・代理店での引換証の購入時においてこの日付が10年以上前の日付になっているなら、JRパス利用資格を満たしていることの証明書類として使えます。
米国グリーンカードでは「Resident since」、ブラジルの永住者カードでは「DATA DE ENTRADA」に記載されている日付を確認します。
(注)米国グリーンカードで「Permanent Resident Card」と記載のないもの(1989年までに発行されたもの)は在留開始年月の記載がないためJRパス利用資格証明のために使えません。
アメリカ・カナダ・ブラジルの永住者カードは持っているけれど、
- 永住者になってからまだ10年経っていない。
- 最初は学生や就労のステータスで滞在していて、後に永住権を取得した。すべての在住期間を合わせると10年以上になる。
という場合は、JRパス利用資格証明として永住者カードは使えません。



私はカナダの永住権取得後まだ10年経っていないので、JRパス購入には使えないんです...
証明書類として永住者カードは使えないけれど在住期間の合計が10年以上ある人は、大使館・総領事館で「在留届の写し」または「在留証明」を取得すればOKです。
米国グリーンカードとパスポートで名前が違う場合はどうなる?
JRパス引換証の氏名表記は日本のパスポートの氏名表記に合わせます。ですが、米国グリーンカードと日本パスポートの氏名表記が違う場合、米国グリーンカードをJRパス利用資格証明として使えるのでしょうか。
グリーンカードの姓がパスポート上では姓の欄に括弧書きで(別名併記として)記載されている、パスポート上の姓がグリーンカード上でミドルネームとして記載されている、という人がいらっしゃいますよね。
JRパス公式HPの利用資格ページには次のように書かれていますが、パスポートとグリーンカードの氏名表記が完全一致しないといけないのか(括弧書きやミドルネームとしての表記があれば同一だとみなしてくれるのか)はっきりしません。
アメリカ合衆国
PERMANENT RESIDENT CARD
1 氏名、生年月日が、旅券に記載されたご本人と同一であること
引用:JAPAN RAIL PASS「2017年6月1日からのご利用資格(日本語)」
そこで、米国の旅行会社のHPを調べたところ、IACE TRAVELのHPに「JRパス利用規約」として次の記載がありました。
③ アメリカ、カナダ、ブラジルの何れかで発行された永住カード(グリーンカード)
旅券に記載の名前と永住カードに記載の名前が一致しない場合にも、①か②の何れかの書類が必要となります。
日本のパスポートに括弧書きで記載されている名前が永住カード上の苗字になっている場合や、パスポート上の苗字が永住カード上でミドルネームとして記載されている場合などは一致していないものとみなされます。
完全に一致していない場合には担当スタッフにご確認下さい。
引用:IACE TRAVEL「JRパスご利用規約」
ここで言う「①か②の何れかの書類」とは、大使館・総領事館で取得できる「在留届の写し」か「在留証明」のことです。この規約によると、グリーンカードとパスポートで完全に氏名が一致していないと利用資格証明としてグリーンカードを使えないように思えます。
ですが、「完全に一致していない場合には担当スタッフにご確認下さい。」という気になる記載があるため、以下の①~④の例について、どの場合にグリーンカードを利用資格証明として使えるのか問い合わせてみました(この4例をそのまま送りました。問い合わせ日:2023年3月17日)。回答は以下の通り。
- 日本パスポート:(姓)YAMADA (名)HANAKO
米国GC:(姓)SMITH (名)HANAKO
→姓が一致していないので✕ - 日本パスポート:(姓)YAMADA (SMITH) (名)HANAKO
米国GC:(姓)SMITH (名)HANAKO
→◯(利用資格証明としてGCを使える) - 日本パスポート:(姓)YAMADA (名)HANAKO
米国GC:(姓)SMITH (名)HANAKO YAMADA
→姓が一致していないので✕ - 日本パスポート:(姓)YAMADA (SMITH) (名)HANAKO
米国GC:(姓)SMITH (名)HANAKO YAMADA
→◯(利用資格証明としてGCを使える)
②と④は、姓と姓、名と名が一致しているので利用資格証明としてグリーンカードを使えるということでした。グリーンカードの姓がパスポートの姓の欄に括弧書きで記載されている場合はOKということですね。



必ずご自身でもご確認くださいね。
ブラジルの永住者カードは様式が変わったので注意
ブラジルの永住カードで証明する予定の人は、次の点に注意が必要です。
ブラジルにおいては、2018年9月に様式変更が行われ、在留開始日の記載が無くなったため、新様式「CARTEIRA DE REGISTRO NACIONAL MIGRATÓRIO」をお持ちの方は、旧様式「CÉDULA DE IDENTIDADE DE ESTRANGEIRO」のコピー(新様式の氏名と生年月日が同一のもの)も併せてご提示ください。
新様式「CARTEIRA DE REGISTRO NACIONAL MIGRATÓRIO」のみでは、在留期間が10年以上であることが確認できないため、引換証のお買い求め及びパスへの引換はできません。
引用: JAPAN RAIL PASS「2017年6月1日からのご利用資格(日本語)」
【証明方法その2】管轄公館に10年以上前に在留届を出している人は「在留届の写し」にて証明
大使館・総領事館に「在留届の写し」を発行してもらうには、
- 10年以上前に在留届を出している
- 10年以上ずっと同じ大使館・総領事館宛に在留届を出している
- 現在も「在留」のステータスになっている
という3点をすべてクリアしている必要があります。
発給条件①: 10年以上前に在留届を出している



10年以上前に在留届を出していたかどうかわからないよ~
という場合の在留届の受付日の確認方法は、以下の通りです。
オンラインで在留届を出した人の受付日確認方法
オンライン(ORRネット)で在留届を出した人は、オンラインで在留届の受付日を確認できます。
確認手順は次の通り。
- オンライン在留届(ORRネット)のログイン認証ページからログイン。
- 利用者IDとして登録されているメールアドレス宛にワンタイムパスワード(15分間有効)が送られてくるので、ワンタイムパスワード認証ページに入力。
- 「在留届メニュー」(下の画像)が表示される。表中に「公館」「受付日」「状態」が表示されているが、この「受付日」が在留届の受付日。


「ログイン時の利用者IDって何?」「パスワードを忘れてしまってログインできない」「いっしょにJRパスを利用する予定の子供の在留届が出ているかどうか確認したい」という人は、次の記事で詳しく解説していますので、参考になさってください。
書面で在留届を出した人の受付日確認方法
一方、オンラインではなく在留届用紙に記入して提出した人は、これまではオンラインで自分の在留届にアクセスすることができなかったのですが...
朗報です!2023年2月から書面の在留届を「オンライン届出化」できるシステムができ、書面で在留届を出した人も在留届の内容をオンラインで確認・変更できるようになりました(従来の在留届の受付日がそのまま引き継がれます)。
ただ、大使館・総領事館は勝手にオンライン届出化してくれません(自動的に「従来の在留届の受付日」が新しい在留届の受付日に引き継がれるわけではありません)ので、まずは自ら要領に従って手続きする必要があります。
【ご参考】在デュッセルドルフ総領事館:「在留届を「電子届出化」する手続きのご案内」(2023年2月3日)
(大使館・総領事館によって手続方法が異なる場合があるので、詳細は管轄の大使館・総領事館にお問い合わせください。)



2023年3月27日からパスポートのオンライン申請が可能になったのを皮切りに、これから海外の大使館・領事館で様々な領事手続きにオンライン申請が導入されます。
ただ、オンライン手続きが利用できるのは在留届をオンラインで出している人だけなので、この機会にオンライン届出化の手続きされておくことをおすすめします。
在留届のオンライン届出化には一定日数かかるようなので、JRパスのためにいち早く在留届受付日が知りたい場合は、在留届を出している管轄の大使館・総領事館に他の方法(電話やメール)で教えてもらえないかどうか問い合わせてみましょう。



例えば在フランス日本国大使館では、個人情報保護のため、本人確認ができない電話では教えてもらえず、在留届に登録されているメールアドレスから問い合わせた場合のみ教えてもらえるようです。



一方、在英日本国大使館のHPには「在留届の提出日が不明な場合は、事前に当館在留届係(電話:020-7465-6551)までご照会ください」とあるので、もしかしたら電話で教えてもらえる場合もあるのかもしれません。
発給条件②: 10年以上ずっと同じ大使館・総領事館に在留届を出している
例えば、最初はA総領事館に在留届を出していて、その後引っ越して管轄公館が変わり、同じ国のB総領事館に在留届を出した、という場合。いくら同じ国の中であっても、(A総領事館とB総領事館の間で空白期間なくきちんと在留届を出していたとしても、)複数の総領事館からそれぞれ「在留届の写し」を発行してもらって証明書類として認めてもらう、ということはできません。
そもそも「在留届の写し」は、現在お住まいの地域を管轄している(現在在留届を出している)大使館・総領事館からしか発行してもらえないからです。
A総領事館とB総領事館の間で在留届提出期間を合算してもらって、一枚の「在留届の写し」として発行してもらうということもできません。
「在留届の写し」を発行してもらうには、10年以上前からずっと、同一の大使館・総領事館に在留届を出している必要があります。
発給条件③: 在留届は現在も「在留」のステータスになっている
もし年に一度の在留状況確認調査時に大使館・総領事館から来るメールに返信していなかったり(最近は「在留届の内容に変更がない場合は返信不要」とされていますが、数年前までは返信が必要とされていました)、古い連絡先のまま放置し大使館・総領事館から連絡が取れない状態になっていたりしたら、あなたの在留届は「転出」扱いにされてしまっているかもしれません...
ちなみに、在留届が転出扱いにされてしまうケースについては、外務省のオンライン在留届のページに次のように記載されています。
なお、平成26年4月1日より、以下の方については、当該大使館・総領事館の管轄地域から転出したものとして扱わせて頂きますのでご了承下さい。
引用:外務省オンライン在留届「在留届FAQ – 質問(16)」
1「滞在期間」欄記載の滞在終了予定日を経過した後、特段のご連絡を頂いておらず、更にその後1年間、当該の大使館・総領事館において在留が確認できない方
2「滞在期間」欄記載の滞在終了予定日が到来していない方のうち、1年以上の期間にわたり、当該の大使館・総領事館から連絡がつかない方



もし「転出」扱いになっている場合は、大使館・総領事館からのお知らせメール(安全情報や在外選挙のお知らせなど)や、年に一度の在留状況確認調査メールがまったく届いていないはずです。
心当たりがある場合は管轄の大使館・総領事館に問い合わせてみましょう。
「在留届の写し」申請に必要な書類、手数料
「在留届の写し」は、窓口での申請・受領のほかに、郵送による申請・受領が可能です。



以前は郵送申請・受領はできなかったのですが、2021年の2月頃から可能になったようです。
必要書類は以下の通りですが、窓口申請の場合と郵送申請の場合は必要書類が異なります。また、同居家族の情報も必要な場合、追加書類が必要になります。
- 日本国パスポート原本(郵送申請の場合は顔写真があるページのコピー)
- 在留届の写し交付申請書(PDF)
- 現住所を立証する書類のコピー
※どんな書類が認められるのか、お住まいの国・地域によって異なるので、事前に管轄の大使館・総領事館で確認するのが確実。 - <同居家族の情報も記載された「在留届の写し」を希望する場合(同居家族もJRパスを利用する場合)のみ>
- 同居家族全員の日本国パスポート原本(郵送申請の場合は顔写真があるページのコピー)
- 同居家族全員(未成年者含む)が記入・署名した個人情報提供に関する同意書(PDF)
→ 「個人情報提供に関する同意書」は、大使館・総領事館によっては「来館しない同居家族についてのみ提出が必要」としている場合があります。
→ 「個人情報提供に関する同意書」は、どこに誰の氏名を書いたらよいのか、誰がどんな署名をしたらよいのかがとても分かりにくい(←特に未成年者がいる場合は確実に間違えるレベル)のですが、在英日本国大使館作成の記入見本(PDF)がおそらく世界一わかりやすいのでご参考まで!
- <郵送申請の場合のみ>
- 住所を明記し、切手を貼付した返信用封筒
大使館・総領事館によっては、在住国の滞在許可証の提示を求めているところもあります(滞在許可証の提示=自己意思による外国籍の取得により日本国籍を喪失していないかどうかの確認だと思います)。
発給手数料は無料です。発行にかかる日数は、大使館・総領事館によって異なるので直接ご確認ください。
【証明方法その3】在留届提出後10年経っていない場合や同一国内で管轄公館が変わった場合は「在留証明」にて証明
- 10年以上前から住んでいるけれど、在留届を出してからは10年が経過していない。
- 10年以上ひとつの国に住んでいるけれど、最初はA総領事館の管轄地域に住んでいて、その後B総領事館の管轄地域に引っ越し今も住んでいる。B総領事館の管轄地域には10年以上住んでいない。
という場合は、ちょっと面倒で、手数料がかかってしまいますが、大使館・総領事館に「在留証明」を発行してもらうしか方法がありません。
上の②の、同一国内で管轄公館が変わった場合は、大使館・総領事館によって「在留証明」が発行してもらえない場合があります(詳しくは後述)。
「在留証明」の発給条件、必要書類、手数料
「在留証明」は日本の住民票の代用として発給されるものなので、原則として日本で住民登録をしている人(日本で転出届を出していない人)には発給されません。(ただ、現状では、日本の住民票と海外の在留届はリンクしていないので、大使館・総領事館の職員さんには、日本で住民登録をしているかどうかはわからないんですけどね。)
「在留証明」は有料(1通につき約1200円(現地通貨にて現金で支払い))なので、手数料の支払いが求められる受領時には必ず窓口(または領事出張サービス会場)に行く必要があります。原則窓口申請とされていますが、大使館・総領事館によっては遠隔地にお住まいの場合など郵送申請が可能になる場合もあるようですので、管轄の大使館・総領事館に問い合わせてみましょう。
申請に必要な書類は次の通り。
- 日本国パスポート原本
- 在留証明願(窓口で入手)※ホームページからダウンロードできる大使館・総領事館もあるので、確認してみましょう。
- 現在の住所に10年間住んでいることを立証する書類。現在の住所に10年間ずっと住んでいなくて、過去の住所も証明してもらう必要がある場合は、過去の住所を立証する書類も必要。
大使館・総領事館によっては、在住国の滞在許可証の提示を求めているところもあります(滞在許可証の提示=自己意思による外国籍の取得により日本国籍を喪失していないかどうかの確認だと思います)。
「在留証明」は、家族全員分まとめて証明したものはJRにより認められないとされているので、JRパスを使用する人数分(1人につき1通)必要です。
発行にかかる日数は、大使館・総領事館によって異なるので直接ご確認ください。
現在及び過去の住所を立証する書類とは?
現在の住所に10年間ずっと住み続けている人は、現在の住所に住み始めた時点での立証書類と現在も住んでいるという立証書類を用意すればいいので楽です。
でも、実際、10年間同じ住所に住んでいない(過去の住所も証明してもらわないといけない)という人も結構おられるのではないでしょうか。
過去の住所については、それぞれの住所について居住期間(入居時期と退去時期)が立証できる書類が必要になります。
居住期間について空白期間があれば「在留証明」は発行してもらえません。
引っ越しが多かった人、シェアハウスなどを転々としていた人(契約書らしいものがない人)は、住所証明書類集めに結構苦労されるのではないかと思います。
一般に、住所を立証する書類としては、次のようなものがあります。
- 運転免許証
- 住居の売買契約書や賃貸契約書
- 税金の請求書
- 公共料金の請求書や領収書
- 銀行のステートメント
- メディカルカード
もちろん、住所を立証する書類にはあなたの氏名が記載されている必要があります(住所立証書類が配偶者名義になっている場合などは大使館・総領事館に相談してみましょう)。
お住まいの国・地域によって、住所立証書類として認められる書類が変わってきます。「在留証明」を申請する大使館・総領事館に事前に問い合わせると間違いがありません。



昨年まで住んでいたドイツには住民登録制度があるので、住民票(Meldebescheinigung /Aufenthaltsbescheinigung等)が住所立証書類となっていました。
管轄公館が変わっていても、同一国内での引っ越しであれば過去の住所も証明してもらえる?
さて、
10年以上ひとつの国に住んでいるけれど、最初はA総領事館の管轄地域に住んでいて、その後B総領事館の管轄地域に引っ越し今も住んでいる。B総領事館の管轄地域には10年以上住んでいない。
というような、同一国内で引っ越して、管轄の大使館・総領事館が変わってしまった場合、「在留証明」は発行してもらえるのでしょうか。
JRの規定
まず、JRの規定では次のようになっています。
「転居歴がある場合」は「形式2」の2枚目にて証明がされていること
「過去の住所」:当該国に連続して居住している場合
(在外公館管轄地域をまたがって転居した場合、在留証明がなされないことがあります。一通の証明で当該国に連続して10年以上居住されていることが証明されていない場合は、引換証のお買い求め及びパスへの引換はできません。)
JAPAN RAIL PASS「2017年6月1日からのご利用資格(日本語)」
つまり、JRのルールとしては、同一国内で引っ越しして管轄の大使館・総領事館が変わった場合、 現在の管轄大使館・総領事館で管轄地域外の住所を含めた「在留証明」を発行してもらえる場合には認めます、ということです(JR側は、証明してもらえない場合があるという事実を承知)。
管轄公館が変わっていても、同一国内での引っ越しであれば過去の住所も証明してもらえる?
そこで実際に、色々な国の大使館・総領事館のホームページを確認してみたところ、同一国内の引っ越しであれば管轄地域以外の住所を含めた「在留証明」を発行してくれる公館と、同一国内の引っ越しであっても管轄地域以外の住所については「在留証明」を発行しない公館があることがわかりました。



以下、調査結果です。ご参考まで。
在ロサンゼルス日本国総領事館
過去からの住所証明を申請する場合は、今現在の住所に加え、過去の住所及び居住期間を立証できる文書が必要です。なお、過去の住所地の証明は米国内の住所地に限られます。
引用:在ロサンゼルス日本国総領事館「在留証明」
(例:2000年1月からロサンゼルス、2010年5月からサンフランシスコ、2012年6月からニューヨーク、2015年12月からサンディエゴで今に至るときは、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、サンディエゴのそれぞれの住所、氏名、発行日が載った住所証明原本をお持ちください。)
在ニューヨーク日本国総領事館
「形式2」を申請して過去の住所を証明する場合、現在の住所に加え、過去の住所地及び在住期間を立証する書類の提出が必要です。なお、過去の住所地の証明は米国国内に限られます。
引用:在ニューヨーク日本国総領事館「証明 – 1. 在留証明(和文)」
というわけで、米国内での引っ越しであれば、管轄地域以外の住所も証明してもらえるようです。
在ドイツ日本国大使館
過去の住所(ドイツ国内に限る)も含め証明する場合は、過去の住所とその居住期間を証明するドイツの住民票(Meldebescheinigung /Aufenthaltsbescheinigung等)が必要です。
引用:在ドイツ日本国総領事館「証明事務 – 在留証明」
(特にJRパス用の「在留証明」ということで記載されているわけではありませんが、)ドイツ国内に限って過去の住所証明も可能、と記載してあります。
在英日本国大使館
(3)入国後に転居しており、過去の住所も証明する必要がある場合
現住所が明記された上記(1)と(2)の書類に加え、過去の住所の居住期間(住み始めと住み終わり)が確認できる上記(1)及び(2)の書類も必要になります。
※当館管轄地域(イングランドのうちNorth Yorkshire, Lancashire以南及びウェールズ、北アイルランド)以外の住所が含まれる場合は、事前に当館までご相談ください。
引用:在英日本国大使館「証明 – 在留証明」
と記載されており、この部分についてはJRパスは例外というような断り書きがありません。この書き方だと「当館管轄地域以外の住所が含まれる場合」でも事前に相談すれば可能になりそうですね。
在フランス日本国大使館
ただ、在フランス日本国大使館のホームページには、次のようにあります。
在留証明
当館管轄地域以外の住所については、証明することはできません。
引用:在フランス日本国大使館「ジャパン・レール・パスを利用するための書類」
ですが、実際にこんな声があります。
フランス在住の方へ。 管轄を超えて引越しても、JRパスの証明書類となる「在留証明」を発行してもらえます。
当方フランスに住んで10年以上になりますが、5年前に69県(リヨン管轄)から44県(パリ管轄)へ引っ越していたので、JRパスの利用は諦めていました。
ですが大使館に問い合わせたところ、領事部の担当の方が丁寧に対応してくださり、発行可能とのお返事を頂きました。
手続きには賃貸契約書や住宅購入の証明書が必要(通常の電気や電話の証明ではなく)、かつ有料で日にちがかかりますが、JRパスの条件② 「在外公館が発行する「在留証明」(「現住所に住所(または居所)を定めた年月日」として、10年以上前の年月が記載されたものに限る。) に相当するものを発行してくれるとのことです。
実は以前パリの大使館のHPを見た際に、確か以前記載があったと記憶していた「管轄を超えた証明はできない」が見つからなかったので、問い合わせを念のためしてみたところ上記のお返事でした。
私のように諦めていた方がいたら…と思い、情報共有をさせて頂きます。
念のため、事前に大使館や領事館にお問い合わせをすることをお勧めします。
引用:ジャパン・レール・パスを考える在外邦人の会、2019年5月14日の投稿
ただ、この事例は3年以上前のことなので、現在はやはり管轄地域以外の住所については証明できないという運用になっている可能性があります。



他にもいくつか大使館・総領事館のHPを見てみましたが、管轄地域以外の住所証明はできないとしているところが結構あります。
大使館・総領事館によって証明できるところ、できないところがあるのはおかしいと思うんですが...
管轄地域外の住所証明もしてもらえたらラッキーという感じでしょうか。
「在留届の写し」「在留証明」の有効期限に注意
JRパス購入・引換のために必要な「在留届の写し」「在留証明」には有効期限があります。
海外にあるJRパス指定販売店・代理店でのJRパス引換証購入時、及び、日本でのJPパス引換時の両方において、「在留届の写し」「在留証明」の発行日が6か月以内である必要があります。(参考: JAPAN RAIL PASS「2017年6月1日からのご利用資格(日本語)」)



ちなみに、引換証の発行日から3か月以内に、日本のJRパス引換所で、使用開始日を指定(JRパスの交付日から1か月以内)してJRパスに引き換える必要があります。
まとめ
現在のところ、2025年12月31日(引換証発行日基準)まで、海外在住日本人も利用できるとされているJRパス。
海外在住日本人の場合、海外での引換証購入時と日本でのJRパス引換時の両方において「在留期間が連続して10年以上であることを確認できる書類で、在外公館で取得したもの等」の提示が必要です。
この書類がなかなかくせ者で、海外に10年以上、20年以上住んでいてもはじかれてしまう人が少なくありません。
なぜなら、JRが利用資格として認めている(大使館・総領事館で在留期間がJRパス利用に有効な証明書を発行できる)のは、現在住んでいる国に連続して10年以上住んでいる場合だけだからです。
書類は各自の状況に応じて用意しましょう。
- アメリカ・カナダ・ブラジルの永住権を取得して10年以上経っている人
→ 永住者カードで10年以上の在留期間が証明できればOK - 10年以上前からずっと、同一の大使館・総領事館に在留届を出している人
→「在留届の写し」 - 10年以上前からずっとひとつの国に住んでいるけれど在留届を出して10年経っていない人。10年以上前からずっとひとつの国に住んでいるけれど、途中国内で引越しして、管轄の大使館・総領事館が変わった人
→「在留証明」
最後に、JRパスの購入方法ですが、訪日外国人はオンラインで購入できますが、海外在住日本人は、海外の指定販売店・代理店でしか購入できません。
海外のJRパス指定販売店・代理店は、海外代理店で購入(JRパス公式HP)で調べられます。
まずJRパス利用資格(10年の在留期間)を証明する書類を入手し、その利用資格証明を提示した上でJRパス引換証を購入するところまで海外で済ませてから日本に行かないといけません。
計画的に準備しないと間に合わない可能性がありますのでご注意くださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!お役に立てましたら幸いです。