在留届の在留国国籍とは?

在留届の在留国国籍とは?
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こんにちは!フランス在住のKokoです。

日本人(重国籍者含む)が海外に3ヶ月以上滞在する場合、お住まいの地域を管轄する大使館・総領事館に「在留届」を出すことが法律で義務付けられています。「在留届」はオンライン(ORRネット)または書面(在留届用紙に記入)で提出できます。

さて、在留届記入時にどう回答したらよいか悩むもののひとつに「在留国国籍」があります。

そもそも「在留国国籍」って何?

子供は生まれつき二重国籍なんだけど、「在留国国籍」を「有」にした場合、国籍選択期限を過ぎて国籍選択の手続きをしていなかったら通知が来たりするのかな。

「在留国国籍」っていう項目は、昔はなかった気がするんだけど。
もしかして、居住国の国籍を自ら希望して取得して日本国籍を喪失した人のあぶり出しに使われてる??

本記事ではこれらの疑問に回答します。

<在留届用紙に手書きで記入して提出しようと思っていた方へ>

在留届は、オンラインで出すとその後の手続き(住所変更、子供が生まれた時の同居家族の追加、帰国の届出など)がすべてオンラインで簡単にできて便利です!(書面で提出した場合は、その後届出内容に変更があった時にオンラインで手続きできず、その都度大使館・総領事館に連絡しないといけないので面倒です。)

2023年3月27日以降、パスポートのオンライン申請や手数料のクレジットカード払いが可能になりましたが、大使館・領事館でオンライン手続きが利用できるのは、在留届をオンラインで出した人だけです。

オンラインで在留届を出す手順については、別記事で詳しく説明しています。

皆さんがあまりご存じない在留届を出す5つのメリット在留届を出すタイミングなどについて知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。

クリックできる目次

「在留国」とは?

「在留」とは「ある期間、ある土地にとどまって住むこと」という意味です 。特に、外国に居住する場合に使います。

ですので、在留届の「在留国」とは「外国で住んでいる国」という意味になります。

Koko

海外に住んでいるとよく耳にする「在留邦人」は「外国に住んでいる日本人」という意味ですね。

在留届の「在留国国籍」とは?

在留届の「在留国国籍」とは?

「在留国の国籍」とは、「現在住んでいる国の国籍を持っていますか?」という質問です。

例えば、アメリカ在住なら「米国籍を持っていますか?」という質問になります。

アメリカの例で言うと次のようになります。

  • アメリカ在住で、日本国籍だけを持っている。
    • 「在留国の国籍」「無」を選択
  • アメリカ在住で、日米の重国籍者である(または、日米国籍に加え、その他の外国籍を持っている)。
    • 「在留国の国籍」「有」を選択
  • アメリカ在住で、日本国籍とその他の外国籍(例:カナダ国籍)の重国籍者であるが、米国籍は持っていない。
    • 「在留国の国籍」「無」を選択

「在留国国籍」で「有」を選択したら国籍選択の通知が届く?

子供は生まれつき二重国籍なんだけど、「在留国国籍」「有」にした場合、国籍選択期限を過ぎて国籍選択の手続きをしていなかったら通知が来たりするのかな。

と思われるかもしれませんが、在留届の「在留国国籍」「有」を選択したことにより、将来国籍選択の通知が届くとか、国籍選択の催告が行われるとか、そのような用途で使用されることはありません。(ちなみに、現在は、国籍選択の通知書は送付されていませんし、過去に一度も国籍選択の催告は行われたことがありません。)

そもそも、この「在留国国籍」の選択は必須ではなく任意です(在留届には記入が必須の項目と任意の項目があります。)つまり、選択しなくてもいいので、本当は「有」なのに「無」になっているままの人もいると思います(確かデフォルトは「無」の方になっていたと思います)。

全員が正しく記入しているかどうかわからないわけですし、自己申告した情報だけに基づいて国籍選択の通知が届くことはありません。

Koko

私はこの点まったく心配していないので、子どもたちの「在留国国籍」(フランス国籍)は「有」としていますよ。
そもそも、子どもたちがフランス国籍も持っているかどうかは戸籍を見ればわかることですし。

これは私の考えですが、在留届の用途のひとつに、

海外にいる在留邦人のための長期的な教育・医療等の施策を政府が検討する際の基礎的資料ともなっております。

引用:外務省「「在留届」をご存知ですか? これから海外で滞在を予定される方は必見です

とありますから、そういった目的で利用されているのだろうと思います。

「在留国国籍」の項目は日本国籍喪失者のあぶり出しに使われている?

「在留国国籍」っていう項目は、昔はなかった気がするんだけど。
もしかして、居住国の国籍を自ら希望して取得して日本国籍を喪失した人のあぶり出しに使われてる??

と心配している人もいらっしゃるようです。

私自身いくつかの国で在留届を出した経験がありますが、確かに昔(10年前ぐらい?)在留届を出した時には「在留国の国籍」という項目はなかったような気がします。

日本では、自ら希望して(自分の意思で)外国籍を取得した場合の二重国籍は認められておらず、自分の意思で外国籍を取得した時点で日本国籍を失う、と法律で定められています(国籍法第11条第1項)。日本国籍喪失後は大使館・総領事館に「国籍喪失届」を出して(戸籍法第103条)、戸籍から除籍される手続きを取るように、とされていますが、実際には手続きをされていない人も少なくありません。

戸籍法は日本国外に住む外国人には適用されないため、海外在住の日本国籍喪失者本人には国籍喪失届の届出義務はありません。

そうは言っても、大使館・総領事館は日本国籍喪失が判明したら必ず「国籍喪失届」を出すよう言いますし、「国籍喪失届」を出さないと大使館・総領事館でのご自身や家族の手続きが進まない場合もあります。

このあたりの話をもっとくわしく知りたいという方は、こちらの記事でくわしく説明していますのでお読みください。

さて、自ら希望して居住国の国籍を取得し日本国籍を喪失した人が、正直に、在留届の「在留国国籍」「有」を選択したとしましょう。

おそらく大使館・総領事館に用がなければ特に何も起こらないと思います。

ですが、大使館・総領事館でなんらかの手続きをする必要が生じた場合、その時は職員さんが在留届をチェックするでしょうから、「在留届の在留国国籍を有とされていますが、(生まれつきではなく)ご自身の意思で取得されたんでしょうか。もしそうでしたら国籍喪失届を出していただけますか。」という話になる可能性があります。

これはあくまで私個人の考えですが、もともとこの「在留国国籍」の項目は日本国籍喪失者のあぶり出しを目的に作られたものではないと思います。もし本当にあぶり出しを強化したいなら選択必須項目にするでしょうから。(在留届には記入が必須の項目と任意の項目があります。)

たとえ選択必須項目であったとしても、「国籍法第11条第1項を知らない人」や「国籍喪失届をすぐに出す予定の人」以外で正直に「有」を選択する人はいないと思います。

今のところ「在留国国籍」の選択は任意なので、デフォルトの「無」のままにしておいても問題ないわけです(確かデフォルトは「無」の方だったと思うんですが)。

在留届のその他の入力項目について確認したい方へ

在留届の「在留地の緊急連絡先」についてくわしく知りたい方はこちらの記事をお読みください。

在留届の「筆頭者」「同居家族」「職業」「到着日」についてくわしく知りたい方はこちらの記事をお読みください。

無事在留届の提出を済まされ、新たな地での生活をスムーズに始められますように!

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